フッ素樹脂とは?フッ素樹脂の用途や種類・フロロサーフとの違いを解説
 
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フッ素樹脂とは?用途や種類・フロロサーフとの違いについても解説!

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フッ素樹脂とは?用途や種類・フロロサーフとの違いについても解説!

更新:2023.1.18   公開:2020.10.31

フッ素樹脂は、工業で広く扱われている素材です。耐薬品性・耐熱耐寒性・表面平滑性・耐摩耗性など優れた性質があるため、さまざまな分野で活用されています。

導入事例

また、フッ素系コーティング剤であるフロロサーフは、フッ素樹脂との共通点を持ちながら、いくつかの違いもある製品で、多くの方から注目を集めています。

この記事では、フッ素樹脂の特徴やフロロサーフとの違い、フッ素樹脂の種類について解説するため、フッ素樹脂の導入を検討されている方はぜひ参考にしてください。


 

1.フッ素樹脂とは?

フッ素樹脂とは、蛍石(ほたるいし)を原料としてフッ素を取り出し樹脂化したもので、化学薬品への耐久性や電気絶縁性が高く、高温でも安定しており、不燃性である特徴があります。

フッ素樹脂にはいくつかの種類がありますが、その中で最も有名なのがポリテトラフルオロエチレン(PTFE)です。

PTFEはアメリカ合衆国で第二次世界大戦中に開発され、戦後に工業製品化した経緯があります。現在ではフライパンやアイロンの焦げつき防止コーティングなどに利用されています。

また、フッ素樹脂の成分を一部置換して新しい材料として開発されるなど、より便利で使いやすい材料となるように研究・活用がなされています。

一般的に高価な材料であり、加工するのが難しいという欠点もありますが、特定の用途に対して重要な材料であることには間違いありません。

 

1-1.フッ素樹脂の原料である「蛍石」とは?

フッ素樹脂のフッ素は「蛍石(ほたるいし)」と呼ばれる鉱石が原料です。

天然の蛍石は含まれている不純物によって緑や紫、ピンクなどの色合いを持ちます。また、ブラックライトを当てると光るという特徴があります。

主成分はフッ化カルシウム(CaF2)であり、鉄などの金属製錬用の材料として欠かせないものです。

フッ素樹脂にはいくつか種類があり、作り方も異なりますが、今回は蛍石からフッ素樹脂の一種であるPTFEを作る方法について説明します。

まずは、蛍石に硫酸を加えてフッ化水素(HF)を作ります。フッ化水素にクロロホルム(CHCl3)を加えて熱分解することでフッ素樹脂になる一つ手前の材料、テトラフルオロエチレン(C2F4)になります。

テトラフルオロエチレンを化学反応によって重合させてフッ素樹脂ができあがります。

 

2.フッ素樹脂とは?特性をわかりやすく解説

フッ素樹脂とは、フッ素原子と炭素原子が結合して作られるプラスチックの総称です。
化学的に安定した性質を持ち、ほかの素材にはみられないさまざまな特性があります。

フッ素樹脂の主な特性は、下記の通りです。

フッ素樹脂の主な特性
耐熱性 高い結合エネルギーの原子を持つため、高い耐熱性があります。
約-196~400度の間の使用に耐えることが可能です。
低温時の耐衝撃性 低温の環境でも優れた耐衝撃性を発揮します。
-196度でも5%の伸びを示すことがフッ素樹脂の特徴です。
耐燃焼性 フッ素樹脂は酸素と結合しにくく、電子の分解力に耐えられるため、高温になっても燃えにくい性質を持っています。
電気絶縁性 15,000~20,000ボルトの高電圧でも絶縁抵抗を行うため、電気・電子部門に役立ちます。
低摩擦性 個体の中でも摩擦係数が非常に小さい素材として知られています。
非粘着性 非粘着性が高く、樹脂表面に接した物質と接着することがほとんどありません。
耐薬品性 一般的な化学薬品からの影響を受けることなく使用できます。
無毒性 人体に無毒なため、食品に対して使用が可能です。
耐紫外線性 紫外線による劣化が起こりづらいため、屋外でも長期間にわたって使用できます。

 

2-1.フッ素樹脂加工について

フッ素樹脂加工とは文字通り、フッ素樹脂を加工し使用することですが、主には基板の防水など工業用として使用されることが多いです。
一般的にはあまり聞きなれない言葉に感じますが、身近でも使われているものがあります。
わかりやすいもので紹介するとフライパン・鍋などのコーティングです。
加工方法は様々ですが、どれもフッ素樹脂加工している物がほとんどです。一般的には「テフロン加工」と呼ぶこともあります。
フライパンや鍋をフッ素樹脂でコーティングすることにより耐摩耗性が向上し、食材がくっついたり焦げ付いたりすることを防いでくれます。
また、約-200~400度に耐えられると言われているため、耐熱性にも優れており、汎用性が高く日常でも活躍しています。

 

2-2.フロロサーフとの違い

フロロサーフは、株式会社フロロテクノロジーの「フッ素系コーティング剤・撥水撥油処理剤」です。

フッ素樹脂とフロロサーフの共通点に、撥水・撥油性や防水・防湿性、汚れ防止などの性質があります。
フロロサーフの使用により、製造や加工などの作業工程で起こるさまざまな問題を解決できます。


ただし、フッ素樹脂とフロロサーフは工法や特性の一部が異なっているため、使用の際は用途・目的に応じて、適切な素材を導入することが大切です。
フッ素樹脂とフロロサーフには、次のような違いがあります。


〇供給形状

フッ素樹脂の供給形状は樹脂の粉体ですが、フロロサーフは特殊なフッ素樹脂を溶解した液体です。



〇施工工程

フッ素樹脂の施工は粉体塗装ののち加熱焼成で行われます。プロレベルのスキルや専用の設備が必要です。耐熱性のない素材には施工することができません。
フロロサーフは、液体ですので通常の塗料と同じように、刷毛塗り、どぶ漬けやスプレーガンなどで簡単に塗布でき、常温で乾燥させるだけです。スキルに自信がない方でも専用の設備なしで施工できます。また、耐熱性のない素材にも施工可能です。


塗布方法の詳細はこちら

〇被膜の外観や膜厚

フッ素樹脂の被膜外観は白色不透明で膜厚は5~100マイクロメートル程度です。
一方、フロロサーフの被膜外観は透明で、膜厚は0.01~40マイクロメートル程度となっています。



〇耐熱性

フッ素樹脂の耐熱性は約400度に対し、フロロサーフは熱可塑性タイプの耐熱性が80~120度、熱硬化タイプの耐熱性が200~250度となっています。

フロロサーフ用のフッ素樹脂は、蓄積された加工技術をベースに合成されています。
そのため、特性のコントロールや膜厚制御、使用する溶剤の変更など、さまざまな仕様変更が可能です。

 

 

2-3.フッ素樹脂を活用している業界

フッ素樹脂は非粘着性・撥水性・耐熱性・電気耐性などに優れていることから、今日の工業には欠かせない素材のひとつとなっています。

化学 配管・バルブ・フィルター・タンクなど。
自動車 コンプレッサー・センサー・安全ベルト・電気機器など。
工業生産 ローラー・金型・コンベヤー・運搬機器など。
家電 電線・摺動部品など。
ガジェット関係 ディスプレイコーティング・基盤・配線など。
半導体 半導体の耐薬品加工などに。
配線ケーブル 電力供給・通信用等屋外用の配線の保護など。
エネルギー産業 探査/掘削作業・熱交換機など。
航空/宇宙 探査機の機器や配線の保護など。
医療 薬品の包装・医療用のチューブ・注射剤のストッパーなど。
軍事 軍用機器・通信機器・軍用レンズなど。
食品 パンや製菓の機械器具・ロール・包装機械など。
清掃 掃除用器具・防汚加工など。
農業 農業用器具・芝刈り機など。
土木/建築 電動機器・建築用膜材・塗料など。

このように、多くの分野や業界でフッ素樹脂が利用されています。

今後もフッ素樹脂の市場は緩やかに成長を続けると予測され、2027年までには年平均成長率4.3%で伸びるとされています。

 

2-4.フッ素樹脂分野別使用状況

フッ素樹脂は多くの業界で使用されていますが、その割合は分野によって差があります。

こちらのグラフでまとめた通り、最もフッ素樹脂を使用しているのは半導体分野であることが分かります。
次いで自動車産業、産業用機械など精密さや耐久性、耐薬品性などが求められる分野でフッ素樹脂が多く使用されています。

 

2-5.テフロンとは

テフロンはフッ素樹脂の一種であり、化学メーカーであるデュポン社(現ケマーズ社)の登録商標です。そのため、テフロンを製造しているのはデュポン社のみです。

テフロンが発見されたのは偶然の出来事で、元々は炭素とフッ素からなる冷媒の研究を行っていたところ、ガスボンベ内に白い物質ができていたことが発端です。
この冷媒がフロンであったことから転じて「テフロン」と命名されました。

テフロンはフッ素樹脂の一種であるため、高い耐熱性や化学的安定性、耐候性を持つ物質です。

一方で、低摩擦性が原因となって加工しづらかったり、加工しづらいことから材料としての価格が高い問題があります。

テフロンが最初に発見されたのは1938年ですが、発見当初は導入コストが高いことから材料としてのニーズは低かったようです。

その後、化学的に安定していることから耐薬品用のパッキンの材料として採用されて以降、各産業で導入されることとなりました。

 

3.フッ素樹脂の種類

フッ素樹脂に含まれる主な素材は、PTFEやPFA、FEPなど合計8種類にわけられます。
フッ素樹脂には元素の組み合わせによって多くの種類がありますが、構造は完全フッ素化樹脂と部分フッ素化樹脂の2つに分けられます。

完全フッ素化樹脂(パーフルオロ)は、有機フッ素化合物で炭化水素の水素を全てフッ素に置き換えた構造のものです。
PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)
PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体)
FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体)
などが完全フッ素化樹脂です。
部分フッ素化樹脂は部分的に水素または塩素がフッ素に置換されているか、炭化水素モノマーと重合反応させてポリマー合成したものを指します。
PVDF(ポリビニデンフルオライド)
PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)
ETFE(エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体)
ECTFE(エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体)
PVF(ポリフッ化ビニル)
などが部分フッ素化樹脂の例として挙げられます。

フッ素樹脂の各素材は種類によって分子構造が異なり、分子構造に応じた固有の特長・性質を持つため、フッ素樹脂を扱う場合は、各素材の理解が必要です。
製品にもよりますが一般的に完全フッ素化樹脂は非粘着性や耐食性などのフッ素が持つ特性が強い一方で、コストが高く耐久性も比較的低くなるとされます。
部分フッ素化樹脂はフッ素が持つ特性はパーフルオフロと比較するとやや低下する傾向はあるものの、元素の組み合わせによっては耐久性が高くなったり、完全フッ素化樹脂にはない特長が付与されるというメリットもあります。

以下では8種類のフッ素樹脂に関して、名称や特徴、代表的な用途例を解説するため、ぜひ参考にしてください。

フッ素樹脂の種類
PTFE ポリテトラフルオロエチレン(Poly tetra fluoro ethylene)
PFA パーフルオロアルコキシアルカン(Perfluoro alkoxy alkane)
FEP パーフルオロエチレンプロペンコポリマー(Perfuluoro ethylene propylene copolymer)
ETFE エチレン・テトラフルオロエチレンコポリマー(Ethylene-tetrafluoroethylene)
PCTFE ポリクロロトフリフルオロエチレン(Polychlorotrifluoroethylene)
ECTFE クロロトリフルオロエチレン・エチレン共重合体(Chlorotrifluoroethylene ethylene copolymer)
PVDF ポリビニリデンフルオライド(Polyvinylidene fluoride)
PVF ポリビニリデンフルオライド(Poly Vinylidene Fluoride)

 

3-1.PTFE

PTFEの化学名は、ポリテトラフルオロエチレン(Poly tetra fluoro ethylene)です。
高い耐熱性・非粘着性・耐薬品性を持つPTFEは、フッ素樹脂の中で最も多く使用されており、全需要の約60%を占めます。

また、PTFEには懸濁重合品と乳化重合品の2種類があるため、注意が必要です。
懸濁重合品はシートやパイプの圧縮成形に使用され、乳化重合品は、電線被覆などの押出用原料や、コーティング用の材料に使用されます。

PTFEについては、後ほど詳しく言及いたします。
フッ素樹脂の中でも広く使われるPTFEとは?

 

3-2.PFA

PFAの化学名は、パーフルオロアルコキシアルカン(Perfluoro alkoxy alkane)です。
PFAはPTFEの加工性をより高めるために開発されました。

そのため、PTFEと同様の耐熱性・非粘着性・耐薬品性があり、さらに溶接加工や成型加工も容易な点もPFAの特徴です。

また、PFAは通常品と高純度品の2種類にわけられ、通常品はガスケットや電線被覆材、耐食ライニングなどに、高純度品は半導体部品や液晶部品に用いられます。

 

3-3.FEP

FEPの化学名は、パーフルオロエチレンプロペンコポリマー(Perfuluoro ethylene propylene copolymer)です。
FEPも、PFA同様、PTFEの加工性を高めるために開発されました。

PTFEと比較して耐熱性に劣りますが、PTFEにある室温転移点がFEPにはない点が、FEPの長所となっています。

FEPの主な用途例は、電線被覆材や配管材料をはじめ、変圧器の絶縁フィルムやお菓子の焼き型、パッキンなどにも使用されます。

 

3-4.ETFE

ETFEの化学名は、エチレン・テトラフルオロエチレンコポリマー(Ethylene-tetrafluoroethylene)です。
FTFEは、テトラフルオロエチレンとエチレン共重合体から作られます。

ETFEの特徴は力学的に強靭で、電気絶縁性・耐放射線性も兼ね備えている点です。

ETFEは、FEP同様に電線被覆材やコーティング、チューブなどに使用されることが多く、耐食用の膜厚が厚い性質を活かして、化学タンクの素材にも使用されています。

 

3-5.PCTFE

PCTFEの化学名は、ポリクロロトフリフルオロエチレン(Polychlorotrifluoroethylene)です。
PCTFEは、トリクロロトリフルオロエタンをメタノール中で脱塩素化することで、合成が可能です。

PCTFEの特徴に、透明性・耐薬品性・耐衝撃性・耐食性・耐放射線性の高さが挙げられます。
また、PCTFEは水蒸気やガスに対する透過性が低いことも特徴です。

そのため、PCTFEは、ベアリングなどの機械部品やのぞき窓などを中心に、医薬品用の包装フィルムや、腐食性が強い薬液のパイプにも使用されます。

 

3-6.ECTFE

ECTFEの化学名は、クロロトリフルオロエチレン・エチレン共重合体(Chlorotrifluoroethylene ethylene copolymer)です。
ECTFEは、エチレンとクロロトリフルオロエチレンの重合技術によって得られます。

ECTFEの特徴は、優れた電気特性・耐放射線性・耐化学薬品性と、高温環境下でも機械的強度を損なわない点です。

また、ECTFEは、薬品タンクやパイプ、バリア性が必要な部品のコーティングに応用ができます。
しかし、現在の日本では、ECTFEはほとんど使用されていません。

 

3-7.PVDF

PVDFの化学名は、ポリビニリデンフルオライド(Polyvinylidene fluoride)です。
PVDFは、ビニリデン単量体を重合化することで得られます。

PVDFの特徴は、機械的な強靭さや耐化学薬品性を持ち、紫外線の放射にも耐性がある点です。

PVDFは溶融加工や成形も可能なため、ポンプやバルブ、絶縁剤や、自動車用の部品・化学工業用のパイプにも使用されます。

 

3-8.PVF

PVFの化学名は、ポリビニリデンフルオライド(Poly Vinylidene Fluoride)です。
PVFは、フッ化ビニルを重合することで得られます。

PVFの特徴は機械的強度や耐候性の高さが挙げられ、ほかのフッ素樹脂にみられる耐熱性や耐薬品性も備えています。

また、太陽電池用のバックシートは、PVFの主な用途例と言えるでしょう。
特にシート状のPVFは、金属や木材、プラスチックに貼ることで、屋内外の建材や屋根の表面材にも使用できます。

 

3-9.まとめ表

主なフッ素樹脂の種類を表にまとめました。

種別 名称 特長 最高使用温度
完全フッ素化樹脂 PTFE 非粘着性・撥水・撥油・低摩擦性・耐薬品性。
フッ素樹脂の中でも最も多く使用されている。
260℃
PFA PTFEに匹敵する特長を持ちつつ、溶融成形が可能など加工性が高い素材。 260℃
FEP 溶融押し出し成形・射出成形・トランスファー成形に対応 200℃
部分フッ素化樹脂 ETFE 絶縁性・対放射線性に優れ、力学的にも強靭な素材 150℃
PCTFE 耐薬品性・耐食性に優れ、透明性が高いのでベアリングや包装フィルムなどに使用される。 120℃
ECTFE 硬さがあり、弾性率も優れている。難燃性も高いため、強度が必要な場面で使用される。 150℃
PVDF 硬度があり、フッ素樹脂の中では最も誘電率が高い。 150℃
PVF 耐熱性・対候性・染色性に優れ、様々な製品の表面をコーティングするのに使われる。 -

 

4.フッ素樹脂の中でも広く使われるPTFEとは?

PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)はフッ素樹脂全体の半数以上の需要を占める、熱可塑性プラスチックのひとつです。

元々は、アメリカのデュポン社のR.J. プランケット博士がフロンガス関係の研究をしていたところ、フロンの重合反応によって発見されました。
1944年にデュポン社によって商標登録された際の「TEFLON®」(テフロン®)という名称が広く認知されていますが、テフロン®=PTFEです。

第二次世界大戦中には軍用として用いられ、戦後工業化されフライパンなどの調理器具やコーティング材・離型剤などの日用品にも使用されるようになりました。

 

4-1.PTFEの特性

先ほどもご紹介したように、PTFEは耐熱性・非粘着性・耐薬品性などに優れています。
それは分子構造によるものが大きく、PTFEは炭素と水素が結合しているのですが緊密でシンメトリーという独自な原子配列と高分子量によって電気的に安定しているのが特長です。

炭素との結びつきの強さは水素・酸素・塩素などと比較しても非常に強固で、熱や紫外線など外部からの影響を受けにくいのです。この特性が耐熱性・耐薬品性・耐候性の高さとして現れています。
また、高周波の影響を受けにくいことから電気特性にも優れており、絶縁材としても使用されます。

また、フッ素樹脂は分子同士が引き合う力が弱く表面張力は低め。水や油のように分子同士が引き合う力が強く、表面張力が高い水や油を弾きます。(=撥水性・撥油性)

 

4-2.PTFEの成形法

PTFEは、

・圧縮成形法

・液圧成形法

・ラム押出成形法

のいずれかの方法で成形されることが多いです。

〇圧縮成形法

画像引用元:ふっ素樹脂の成形方法 | JFIA 一般社団法人 日本弗素樹脂工業会

PTFEの粉末を金型に入れ、プレスして予備成形をしてから焼成するという方法です。
板やシート、ビレット状に加工する際に用いられます。

〇液圧成形法

画像引用元:ふっ素樹脂の成形方法 | JFIA 一般社団法人 日本弗素樹脂工業会

ゴム膜のように伸縮する膜と液圧の力でPTFEの粉末を圧縮して成形する方法です。
ビーカーや槽など、口が広いタイプのパーツの成形に適しています。

〇ラム押出成形法

画像引用元:ふっ素樹脂の成形方法 | JFIA 一般社団法人 日本弗素樹脂工業会

PTFEの粉末をキャビティの中に入れ、ラム棒で圧縮して押し出しながら焼成・冷却する方法です。
丸棒などの製品を作る際に使用されます。

この他にも、パッキンなどを作る自動予備成形、シートにフッ素加工を施すための含侵コーティングなどがあります。

 

まとめ

フッ素樹脂は化学的に安定した構造を持ち、優れた性質を発揮する素材です。
耐熱性・耐薬品性・電気絶縁性・非粘着性などの性質があるため、フッ素樹脂はさまざまな産業で使用されています。

また、フッ素系のコーティング剤であるフロロサーフは、フッ素樹脂と共通の性質を持つ製品です。
フロロサーフは施工に特別なスキルや設備が不要のため、簡単に導入できます。

フッ素樹脂やフロロサーフの利用に興味がある方は、それぞれの特徴と違いを正確に把握したうえで、自社サービス・商品に適した素材を導入してください。

フッ素コーティング剤(フロロサーフ)の製品詳細はこちら

この記事を書いた人
技術営業部 営業課長 山本弘志の画像
技術営業部 後藤盛吉

経歴

1988年生まれ、沖縄県出身。
大学進学を機に愛知へ。
大学卒業後は愛知で教育関係の職に携わり、2016年にフロロテクノロジー入社。



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