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身近な撥水撥油加工|防水スプレー選択や使い方のノウハウと撥水撥油加工の工業的実用例|フッ素コーティング剤や離型剤なら【フロロテクノロジー】

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身近な撥水撥油加工|防水スプレー選択や使い方のノウハウと撥水撥油加工の工業的実用例

撥水撥油加工は水や油から製品を保護する機能により、重要な役割を果たします。
最も身近な常温型フッ素コーティングによる撥水撥油加工としては、繊維製品や皮革製品を保護するための市販の防水スプレーがあります。防水スプレーについての原理やノウハウ、膜厚との関連について解説します。 また、防水スプレー以外の工業的に使用されている撥水撥油加工例についても解説します。

 

1.防水スプレーによる撥水撥油加工の行い方とコツ

常温型フッ素コーティング剤を刷毛塗やスプレーで対象物に塗布して、数秒から数分間放置いたしますと、溶剤が蒸発乾燥して撥水撥油性コーティングの皮膜が対象物表面に形成されます。一般的なフッ素樹脂加工(たとえばテフロン®加工)のように400℃を超えるような高熱での施工が必要といったことがなく、透明な薄い膜で撥水撥油性能を、家庭や職場できわめて簡単に得ることができます。

この特性を利用した用途として、古くから使われているものに衣服や靴用の防水スプレー(エアゾール)があります。靴や傘、スポーツウェアなどの衣類に市販の防水スプレーを噴霧すると、室温乾燥後は撥水性が得られます。

フッ素系の防水スプレーの性能を左右する取り扱いの要因として、意外に知られていないのが乾燥時間と方法です。塗布直後の状態は、表面的には溶剤が蒸発して乾燥しているように見えても、しばらくは極微量の溶剤成分が残留しており、これがフッ素成分の撥水撥油性を邪魔いたします。風通しの良いところで半日程度乾燥させると、完全に溶剤成分が抜けきって本来の撥水撥油性能が得ることができます。スキーウェアなどの場合は使用前日に噴霧して一晩乾燥させてから使用した方が良いことになります。スキー場についてから噴霧していては、本来の性能が発揮できないことになります。

また、高性能を短時間に得る裏技的方法として、ドライヤーなどで2-3分間程度塗布後の対象物を加熱してやることで、フッ素成分が表面にきれいに整列し、より高性能な撥水撥油性が得られます。

防水スプレーで撥水撥油処理した製品も長時間雨にぬれると、徐々に効果が落ちてくることがあります。この状態は、表面に付着していたフッ素成分が繊維の内側に埋没した状態になってしまうことが原因で起こる現象で、撥水膜が剥離してしまったわけではありません。この状態から簡単に撥水撥油性を回復させる方法としては、やはり、ドライヤーで加熱しますと、再び表面にフッ素成分が浮かび上がって整列するので、撥水撥油性が回復できます。また、加熱ができない場合は、室温に放置しておいても、1-4週間ほどで徐々に回復し、本来の撥水撥油性が得られます。

 

2.防水スプレーの選択方法

市販の防水スプレーには、中身の撥水撥油成分としてフッ素系の撥水撥油コーティング剤を使用しているものと、シリコン系の撥水性樹脂を使用しているものの2種類があります。一般の方には区別がつきにくいのですが、この2つには大きな性能的な差があります。その差は撥油性(=防汚性)です。フッ素系のものはシリコン系よりも表面張力が低く撥油性がある(=油成分をはじくことができる)ため、対象物に油汚れが付着するのを防御できます。シリコン系の防水スプレーでは油をはじくことができずに、素材に汚れがしみこんでしまいます。

この性能差がある2種類の防水スプレーに見分け方は、防水スプレー缶の下方に小さな字で成分名が記載されていますので、そこを参照いただければ「フッ素系」か「シリコン系」かが判別できます。また、缶の目立つところに「防汚性」という表示があるかどうかも重要なポイントです。シリコン系の防水スプレーには防汚性がありませんので表示することができないのです。撥油性だけでなく撥水性につきましても、全般的にフッ素系の方が撥水性は良く、シリコン系では今一つ撥水性が弱いのです。

ちなみに、2017年の6月に発売された晋遊舎刊の雑誌「MONOQLO」2017年7月号では、30種類の防水スプレーを比較評価しておりますが、評価結果が80点以上の高得点で上位にランクインした製品は、ほとんどがフッ素系の製品となっております。

 

3.撥水撥油加工と膜厚

撥水撥油性は表面と液体の分子同士が引っ張り合う力(=分子間力)から発生する現象です。この現象は表面だけの問題で膜厚とはあまり関連性がありません。撥水撥油性だけを求めるならコスト的には薄い方が有利となりますので、なるべく膜厚は薄くしたほうが良いです。では、どこまで薄くできるかというと、撥水撥油性を保持できる膜厚はコーティング剤の化学的構造によって異なりますが、密着反応型ではない場合は0.02μ程度が限界のようです。これ以下の膜厚では、コーティング膜が皮膜状態ではなくなってしまいますので撥水性が保持できません。

なお、革製品や繊維で防水性を要求される場合は、ある程度の膜厚がないと、撥水性はあっても水分が皮膜を通り抜けて素材にしみこんでしまうため、膜厚はやや高めの1μ程度にすることが良いようです。これ以上の膜厚にしますと防水性は上がりますが、皮膜が屈曲に追従できずに割れてしまうことがあります。

 

4.防水スプレー以外の工業的用途での撥水撥油加工実用例

この項では防水スプレー以外に撥水撥油加工が工業的に使用されているケースを紹介いたします。

 

4-1.フッ素樹脂

電子部品のはんだ付けにおいて接合部の前処理剤として使われるものとしてフラックスがあります。フラックスは接合部の金属の酸化被膜を除去する機能を持ち、この機能により確実にはんだが金属に付着することができます。このフラックスがはんだ付けが終わった後にリード線を這い上がって部品の内部に浸透しますと金属部分が腐食し、接触不良などのトラブルの発生源となることがあります。

常温型フッ素コーティング剤は撥油性表面を形成することができるため、はんだ付けされる部分の周囲に塗布することで、フラックスが拡散することや、リード線を這い上がることを防止でき、トラブルを未然に防ぐことが可能です。なお、シリコン樹脂は撥油性を持っていないため、この用途に使用することができません。

 

4-2.ミニモーターや腕時計のオイル拡散防止

腕時計の針、ハードディスクドライブの駆動モーター、パソコン用の薄型冷却ファン、スマートフォンのバイブレーターなどの回転軸の軸受けには極微量の潤滑油が使用されています。潤滑油は表面張力が低いため濡れ広がりやすく、回転軸を伝って拡散すると遠心力で飛び散って周囲を汚染してしまうことになります。ハードディスクドライブではディスク表面が潤滑油に汚染されますと読み取りができなくなり故障の原因となります。腕時計の場合は文字盤が汚れてしまうので、確実にクレームの対象となります。これらの製品の回転軸やその周辺に微量の常温型フッ素コーティングを塗布することで、撥水撥油機能によりバリア的に潤滑油の拡散を食い止めることができ、これらの品質トラブルを未然に防ぐことができます。この用途は実に20年以上常温型フッ素コーティング剤が使用されております。

 

まとめ

今回は、常温型フッ素コーティングによる撥水撥油加工の実例として防水スプレーの使い方や選択のコツ、また。工業的撥水撥油加工が必要とされるフラックス這い上がり防止剤、ミニモーターや腕時計のオイルバリヤについて解説しました。
常温型フッ素コーティング剤であれば、靴やモーターに撥水撥油加工が簡単に施せます。上手に活用することで、様々な製品の品質アップにもつなげることができます。