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フッ素樹脂加工とフッ素コーティング|フッ素コーティング剤や離型剤なら【フロロテクノロジー】

フロロテクノロジーの「モノ造り」におけるコラムです。

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フッ素樹脂加工とフッ素コーティング|活用シーンと使用時の弱点・対策

多様な性能を持つフッ素樹脂加工やフッ素コーティングは、自動車・住宅の外壁・電子部品の基板保護など、広く使用されています。そのため、導入を検討している企業様も多いでしょう。

しかし、使用されるフッ素樹脂にはタイプによって、それぞれの長所も短所が存在します。この点をふまえつつ、母材や用途にあった仕様のフッ素樹脂加工やフッ素コーティングを採用することで、効果をより有効に活用することができます。

当記事では、フッ素樹脂加工やフッ素コーティングのメリットや活用シーンと共に、特徴と弱点、工法を紹介していきます。

 

1.フッ素樹脂―2つの選択肢

フッ素樹脂を表面に被覆するには、大きく分けて2つの方法があり、目的や使用状況に合わせて、適切な方を選択する必要があります。

①専門工場で施工する「フッ素樹脂加工」
②常温でコーティング可能な「フッ素コーティング剤」

これらの2つのフッ素コートには、得られる効果・使い方も異なるため、まずは共通点と相違点についてみてみましょう。

〇フッ素樹脂加工・常温フッ素コーティングの共通点
フッ素樹脂加工も常温フッ素コーティング剤は、それぞれ皮膜となるフッ素樹脂の化学的構造は多少異なりますが、撥水撥油性・非粘着性・防汚性・潤滑性・耐酸性、電気絶縁性などは、どちらも共通して持ち合わせています。それでは、この2種類のフッ素樹脂の相違点(特徴と工法)について以下にまとめました。

 

2.フッ素樹脂加工の特徴と工法

フッ素樹脂加工は、母材にPTFEなどのフッ素樹脂を粉体塗布し、加熱によって溶融させることで皮膜を形成する方法です。

対紫外線性・耐熱性(300~450℃)といった特性も持っているため、太陽光にさらされる製品や耐熱性が求められる素材への塗布が向いています。

一方で、塗布工程数が多く手間も技術も必要となるため、専門工場でなければ塗布でません。
また、プラスチックなど耐熱性のない素材には施工できないため、加工できる素材の制限が大きくなります。

 

2-1.フッ素樹脂加工の主な使用用途

フッ素樹脂加工はフッ素樹脂が持つ特性の中でも、耐熱性に優れているため、高温な状況下で使用されるフライパンや金型・薬品が通るパイプ内面に塗布されています。

 

2-2.フッ素樹脂加工の塗布工程

①母材預かり・検査
フッ素樹脂加工対象物を預かり、数量、外観(キズや汚れの状態)、塗装条件(材質など)を確認します。同時に、依頼の通りに塗布ができるか否か判断します。

②脱脂
脱脂とは、母材の表面についている油脂などを取り除くことです。
溶剤洗浄(油を溶かす性質を持った洗剤を用いて洗浄すること)や空焼きが行われます。

③下地処理
表面密着性を上げ接着しやすくするために、下地処理としてブラスト処理や化成処理を行っていきます。
ブラスト処理とは、小さな研磨剤を母材の表面に打ち付け、表面に微細な凹凸を形成いたします。化成処理とは、母材に化学的に表面加工を施して下地となる被膜を作ります。
また、場合によっては、これらの作業の後、溶かした金属やセラミックの材料を母材の表面に噴射することで耐久性も上げることもあります。

④コート(塗布)
フッ素樹脂を分散させた塗料を塗布します。母材や塗料の種類、完成品に求める性能によって、コーティングの方法や回数が異なります。何層にも重ねて塗る場合には、複数回にわたってコーティングと乾燥を繰り返し行います。

⑤乾燥
水性・溶剤性塗料の場合は、焼き付けを行う前に乾燥させます。

⑥焼き付け
焼成炉を使用して高温にて焼き付けを行い、母材にフッ素樹脂を定着させます。

⑦検査・再塗装
当初の依頼の通りに塗布が完成しているかどうかの確認を行います。厚みが不足の場合は、再度コーティングします。目で見えない箇所や配管の内側まで丁寧な検査が必要となります。

 

3.常温フッ素コーティング剤の特徴と工法

常温フッ素コーティング剤は低粘度透明な溶液で供給され、通常の塗料と同じように刷毛やスプレーで簡単に塗布できます。塗布後は常温で乾燥させるだけで、薄膜で透明なフッ素被膜が形成できるコーティング剤です。
加熱の必要がないので耐熱性がない素材でもフッ素コーティングすることができます。繊細な電子機器の基板や繊維・皮革など、前記のフッ素樹脂加工よりも多くの素材に塗布でき、使用用途は多岐に渡ります。工程が容易なのでフッ素樹脂加工専門工場への依頼が不要で、製造現場での塗布が可能です。
一方で、使用できる耐熱温度の上限が100~220℃(品種によって異なります)となり、フライパンなどの高熱下の用途には不向きです。また、屋外で使う製品に塗布した場合は、紫外線の影響により1年程度での再塗装が必要となります。

 

3-1.常温型フッ素コーティング剤の有効な使用シーン

常温型フッ素コーティング剤を使用するメリットとして、以下のようなフッ素樹脂の持つ性質を簡単に得られることが挙げられます。

●撥水撥油性
●非粘着性
●防汚性
●防湿性
●絶縁性
●耐酸性
●低摩擦性
●低屈折率

 

3-2.常温フッ素コーティング剤塗布の主な使用用途

前項で挙げられた特性は具体的には以下のようなシーンで利用されます。

①撥水撥油性
ミニチュアモーターの軸受け油の拡散防止や、衣服や靴用の防水スプレー。

②非粘着性
ハサミや刃物の刃に塗布することで、粘着テープなどを切ったときにのり付着防止。

③防汚性
タッチパネルの指紋付着防止、自動車ボディの水垢付着防止。

④防湿性 絶縁性
実装基板のマイグレーション防止。

⑤耐酸性
電池電解液からの電気回路保護。金属板の硫化対策。

⑥低摩擦性
摺動部の異音抑制。

⑦低屈折率
光学部品やディスプレイ偏光板の反射率低減。

なお、用途によって要求される性能のポイントが異なりますので、用途に合わせた商品の選択が重要です。

 

3-3.常温フッ素コーティングの弱点

常温フッ素コーティング剤は、下記の2つの弱点があります。

〇耐熱性
先述の通り多くの常温フッ素コーティング剤には、常温でコーティングができるという特性と裏腹に、耐熱性については、タイプによって異なりますが、使用上限は100-220℃となります。フライパンやアイロンのような高熱の用途には使用することは難しいです。

○対紫外線性
常温型フッ素コーティング剤は、紫外線で劣化する傾向があります。日常的に太陽光に曝露される用途は1年程度で性能が劣化するケースがあります。毎年塗り直しができる用途であれば問題はありませんが、塗り直しができない場合で屋外の用途にはあまり向いておりません。

 

3-4.常温フッ素コーティング剤の塗布工程

常温フッ素コーティング剤の塗布方法は、一般的な塗料と同じ方法で塗布することができます。 基本的な塗布工程の流れと、主な塗布方法をいくつかご紹介いたします。

基本的な工程の流れ
①素材前処理剤
対象物に水分や油分、汚れ、ほこりなどが付いていると、皮膜の密着性能が損なわれるため、対象物の表面を洗浄などで清浄にしてください。
ペーパー掛けやブラストなどの前処理も有効です

②塗布
代表的な塗布方法は以下のような方法ですが、これ以外にも一般的な塗装手法がご利用いただけます。
1.手塗り(はけ・筆)
刷毛・筆・スポンジローラーで、コーティング剤を塗布します。簡単に処理できる反面、ムラや膜厚のばらつきができやすく、塗布者によっても品質に差が出ます。少量多種の生産工程に向いています。

2.スプレーガン
市販の塗装用スプレーガンで塗ります。比較的簡単で美しい塗膜が可能ですが、飛散量が多くコーティング液が無駄になりがちです。塗布者によっても品質に差が出ます。

3.スプレーコーター・ディスペンサーマシン(XYロボット付き)
スプレーコーターやディスペンサーマシンによる塗布。 いずれも大量生産向けで、正確に膜厚のコントロールが可能です。広い面積を塗る場合はスプレーコーター、部分的に塗る場合はディスペンサーマシンが向いています。スプレーコーターの場合は飛散によるコーティング剤のロスを最小にする条件設定が必要です。

4.ディッピング
コーティング剤に対象物を浸漬して塗布します。比較的均一な皮膜厚が得られ、複雑な形にも対応 できます。この方法では対象物すべての部分を完全にコーティングできますが、不要な箇所へも塗布されます。浸漬後の引き上げ速度とコーティング剤の濃度で膜厚をコントロールします。
生産工程で使用する場合は、時間経過とともに溶剤が蒸発することにより、樹脂分の濃度が変化することがあり、随時濃度管理を行う必要があります。少量生産の場合は手動で行うことができますが、大量生産の場合はディッピングマシーンで行うことができます。

5.スピンコーティング
対象物を回転させた状態で、上からコーティング剤を滴下します。遠心力でコーティング液が濡れ広がることにより塗布できます。対象物は平面に限られ、専用のコーティングマシンが必要ですが、薄膜で均一なコーティングができます。半導体ウエハーなどでよく使用されます。

③乾燥
塗布後は常温でおいておくだけで乾燥が可能です。膜厚と必要な乾燥時間は比例します。20ミクロンを超える膜厚の場合は、加熱しますと気泡やクラックが発生する可能性があるため、室温で養生してください。また、重ね塗りする場合は一度塗布したら十分な乾燥時間が必要です。

 

まとめ

フッ素コーティング剤やフッ素樹脂加工は、その特異性で様々な用途に利用されております。
それぞれ特性が異なる面もあり、得手不得手もありますので、ご使用になる用途、経済面もあわせて十分な検討で適切な処理方法をご選択いただければ幸いです。